この記事では日本とアメリカのプリスクールとの違いを比較しつつ、プリスクールとはどんなところか、また子どもたちは、プリスクールで何を学んでいるのかについてお答えします。
この記事を書いている私Tamakiは、東京都中央区で英語教室を20年以上運営する会社の代表をしています。
2005年から開講しているPreschoolではたくさんのお子さんの成長を見守ってきました。
プリスクールとは?日本とアメリカのプリスクールの違い。
アメリカのプリスクール
アメリカではプリスクールとは、幼稚園の年少・年中の子どもたちが通う幼稚園のことです。
3歳~5歳位までの子供が通い、長時間のデイケア(保育施設)より短い時間を過ごします。
Pre(前)とschool(スクール)という言葉の通りスクール(義務教育)に行く前の段階で行く学校という意味があります。
アメリカではプリスクールを卒業した後に、義務教育として5歳になる年の9月にスタートする日本の幼稚園にあたるキンダーガーテンに通います。
州によって違いはありますが、5歳で1年間通うキンダーガーテンで義務教育が始まり、読み書きや算数なども学び始めます。ほとんどの小学校に1年間のキンダーガーテンが併設されているので、小学校と同じ就業時間となっており、小学校の最初の1年という位置づけになっています。
キンダーガーテン入学から1年後の9月に6歳になる子どもが小学校(エレメンタリースクール)に入学し本格的な学習が始まります。
日本のプリスクール
日本では、プリスクールは主に幼稚園就園前2歳~3歳の子供たちが「初めて通うスクール」として、英語に触れながら、1日4時間程度通うことのできるスクールです。
英語環境で未就園児を預かり、幼児教育的な要素も取り入れ子供の社会性を育み、子どもが集団での活動を学ぶことができるような手助けをします。
日本では未就園児のプリスクールクラス卒業後は、幼稚園に行き始め、幼稚園から帰ってきた午後の時間帯のクラスに参加しながら楽しく英語学習を継続するお子さんが多くいます。
日本のプリスクールでは個々のスクールによって様々なカリキュラムを導入していますが、私が代表を務めるプリスクールで採用している「クリエイティブ・カリキュラム」について詳しくご紹介します。
「クリエイティブ・カリキュラム」とは?
米国ティーチング・ストラテジィズ社による「クリエイティブ・カリキュラム」とは、子どもをのびのびと創造力豊かに育てる教育プログラムで、アメリカで最も質の高いカリキュラムとして広く普及しています。
知識詰込み型の教育ではなく、子どもの興味分野に基づく適切な環境設定と発達段階に対応したアクティビティで、遊びを通して子供たちが自ら学んでいけるように作られています。
「クリエイティブ・カリキュラム」 のゴール
子どもたちを、積極的かつ創造的に探求し、自分のアイディアを試して考えを明らかにするようなタイプに育てます。
子どもたちが自立し、自信を持った好奇心あふれる意欲的な学習者になるのを手助けします。
子どもたちは遊びながら学んでいます。
このカリキュラムで私たちが気に入っているのは、「遊びの力」を強調していることです。
講師は、子供たちが英語の音や文字、数字など基本的なスキルを習得するための指導をしますが、子どもたち自身も自ら学んでいます。子どもが自分の周りでは何がおこっているのか理解するために創造力を膨らませていくことが特徴で、子どもたちは遊びの中で、アクティブ・ラーニングと呼ばれる学習をしています。
自分自身で理解を深めるときには、与えられた情報を分析するときとは違った脳の部分を使って学んでいると言われています。
具体例:こどもちは遊びを通して何をどのように学んでいるのか
では具体的に子どもたちは、どんな遊びで何をどのように学んでいるのか例を挙げて紹介します。
ごっこ遊び
子どもたちは、自由な遊びの中で様々な役を演じるのが大好きです。
お母さんと子供、お店の店員とお客さん、先生と生徒など、子供たするは大人の世界がどのように機能しているか、人々がどのように交流しているかを理解し真似することで学んでいます。
お医者さんごっこ
聴診器でお人形を診察して処方箋を書く
→道具を何かに見立てて真似をする(抽象的な考え)
→目的をもって書く(読み書き)
消防士の真似をする
消防士になって人を助けに行く
→コミュニティの仕事について知っていることを思い出す。(社会学習)
おままごとや積み木遊び
おままごとでも積み木遊びでも、子どもたちは構造物や3D作品を作ったり壊したり、作り直したりして何時間も過ごします。
遊びに夢中になっているとき、子どもたちは空間的な推論、原因と結果、デザインの直感的な側面などを発達させて脳のさまざまな部分を使っています。
おままごとや積み木遊びを通して反射神経や手指の細かい運動能力を発達させます。
またお友達との関わりを学び将来役立つ協調性を身に着けています。
ブロックを使ってタワーを作る
→見たことのある建物を再現する(地理、社会学習)
→タワーがいつ倒れるか想像する(予測力)
→倒れたタワーをもう一度作り直す(問題解決・心の回復力)
屋外での遊び
お散歩や外遊びでは子供たちがただ単にエネルギーを発散させるだけではなく、様々な効果が期待できます。
のびのびと外遊びをする
→自然の中でどう遊ぼうか、何を使って遊ぼうか考える(積極的に考えて行動する力)
走り回って転んでしまう。
→失敗経験から危険を避けるための行動を考える(問題解決力)
まとめ
幼児期は、学校や人生において成功するための基礎を築くのに最適な時期です。感情面、想像力、社会性、言語面などいくつかの分野に分けられる子供の発達と学習は全てが重要で、それぞれ互いに影響しあっています。
例えば考えや要求を言葉で表現する力(言語面の発達)は、お友達と仲良くする力(社会面・感情面の発達)問題解決する能力(認識面の発達)と深く関わり合っています。
遊びによって子どもたちは、無意識のうちに自分の興味のあることを深く学んでいます。
プリスクールの役割は、このように一日中学び続けている子供たちの様々な能力がきちんと発達していけるように手助けをする場所でもありますます。
英語教育を行うプリスクールがどんなところなのか、子どもたちがプリスクールで何を学んでいるのかの参考となれば幸いです。